線維筋痛症こそ鍼灸と漢方薬を

不安症・うつ症状

フリーアナウンサーの八木亜希子さんが線維筋痛症のため、しばらく休養することを発表致しました。線維筋痛症は一般の方にはあまり馴染みのない病名だとは思いますが、実は線維筋痛症の様な原因不明な疾患には鍼灸や漢方薬による治療が案外良く効くため、当院にも多くの患者さんが来院されています。

線維筋痛症とは

読んで字の如く、全身の筋肉や皮膚に日常生活に支障をきたす程の激しい痛みが現れる疾患です。痛み止めを服用すれば症状が改善すると思われがちですが、痛み止めを服用してもあまり効果が期待できず、病院で血液検査やCT、MRI等の精密検査をしても全く問題が見つからない点が線維筋痛症の最大の特徴です。発症者は20~60歳代の女性に多く、現時点では明確な治療法が存在しないため、痛み止めや睡眠薬を頓服として使用している方が大半だと言えます。

線維筋痛症の問題点は、痛みだけではなく睡眠障害やうつ症状も現れるケースが多いので、心身ともに疲弊してしまう患者さんが多く見受けられます。また、難病指定されていないので認知度が低く、周囲の理解が得られにくい状態が続いています。

こういうときこそ、鍼灸や漢方薬の活用を

線維筋痛症の様に患者さんに明らかな症状が出ているものの、病院で検査を受けても異常がないと判断されていまう症状の場合は、鍼灸や漢方薬の出番です。これらの伝統医療は病名や科学的な検査結果だけではなく、「患者さんが今訴えている症状」に対してオーダーメイドの治療を行うため患者さんの満足度が高く、比較的良い結果を招く確率が高いと言えるでしょう。

また、西洋医学の新しい薬とは違い、鍼灸や漢方薬には数百年から数千年の歴史があります。そのため副作用が現れる可能性が極めて低く、老若男女問わず手軽に試せる治療法でもあります。

線維筋痛症に効く漢方薬

漢方薬は病名で処方するものではないので、この場でお答えすることは出来ません。
患者さんの生活習慣や体質、主訴によって様々な処方を使い分けております。珍しいケースですが、世間では風邪薬の漢方薬として定着している「葛根湯」で線維筋痛症の症状が和らいだ患者さんもいらっしゃいます。

どれくらいで改善するのか

生活習慣や体質等を考慮する必要があるので一概にはお応えできませんが、当院の場合は週1,2回の治療で数週間から1ヶ月程度で何らかの効果を感じる患者さんが多いです。しばらく治療を続けても全く変化のない患者さんも少数いらっしゃいますが、これくらいの期間であれば、たとえ効果が無くとも試してみる価値は十分あるはずです。

鍼灸院、漢方薬局(薬店)の選び方

全ての鍼灸院、漢方薬局で線維筋痛症の治療を行っている訳ではございませんので、治療を依頼する前に必ず問い合わせましょう。少々聞きづらいかも知れませんが、自分の身を任せるに価するのか十分に考慮する必要がありますので、臨床経験や開業年数は必ず調べて下さい。私個人の意見としては、同じ地域で10年以上の実績があれば、ハズレを引く可能性がぐっと低くなります。

何事もスピードが肝心ですので、病が悪化する前に可能な限り早く治療を開始することが復帰への近道でございます。先程書いたように治療効果には個人差があるため全ての患者さんに有効とは言い切れませんが、線維筋痛症で悩む患者さんににとって鍼灸や漢方薬は心強い味方となるはずです。

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