上海中医薬大学短期留学 4日目

今回は上海4日目。
早いもので折り返し地点となります。
午前中は上海中医薬大学付属病院(曙光病院)での推拿病院実習、午後は上海中医薬大学での推拿講義、推拿実技です。日本の国家資格免許である、「あん摩マッサージ指圧師」取得者からみた推拿とは、果たしてどの様なものなのでしょうか?

それでは、今回も張り切ってレビューしたいと思います。

前回の記事はこちら↓

上海中医薬大学短期留学 3日目
中医学を学びつつ臨床の現場を見たいと言う私の野望を叶えるため、中国有数の名門校である「上海中医薬大学」へ、1週間の短期留学に行ってまいりました。 一人海外旅行(研修)が初めてかつ、中国語理解度10%以下の状況で一体どの様な研修になったので...

推拿病院実習 in 曙光病院

推拿とは古代中国で発展した手技療法(所謂マッサージ)で、元々は「按摩」と言う名称でした。明の時代に医療行為としての按摩を「推拿」と命名したのが推拿の始まりと言われ、現在でもその伝統は受け継がれています。
日本の按摩ど同様に、現在ではカイロプラクティックの要素も取り入れられていますが、本来は経絡(ツボの流れ)に沿って手技を進めていきます。また、曙光病院の推拿科では推拿だけではなく、電気治療や吸い玉治療も取り入れている様です。

推拿科の治療室内に入った時の第一印象ですが、「日本の整形外科のリハビリ室」そのものでした。
私が昔勤務していた整形外科のリハビリ室に瓜二つでございます。いや~、懐かしい。
室内にはカーテンで区切られた複数のベッドと、SSP治療器や低周波治療器が並んでいます。

通院されている患者さんで多い疾患を聞いた所、「頚椎症」、「頚椎ヘルニア」、「腰痛症」でした。日本の都市部と同じく、上海はデスクワークが多いため首や腰をやられてしまうそうです。これが地方になると農作業での疲れや外傷が増えるそうです。これも日本と全く同じですね。

推拿問診の様子
推拿科での問診の様子です。

日本の「按摩」と中国の「推拿」の違い

大本が同じなので両者の手技は非常に似ているのですが、上海流の推拿はいかにして効率よく沢山の患者さんを診られるかという点に特化しています。
日本の場合は、母指を使った手技が中心となりますが、長い年月をかけて多くの患者さんを診ると術者の指が変形し、最終的には指を壊してしまいます。推拿の場合、母指球や小指球、肘等を多用するので、術者が受けるダメージが少なく、1日に沢山の患者さんを診ることが出来ます。
無論、日本の按摩もこれらの部位を使いますが、先程も述べたように基本的には母指を主として利用します。
その他、細かい部分の違いはありますが、押す、掴む等の基本理念は同じです。

 

吸い玉の様子
受講者をモデルにして推拿や吸い玉の実習を行います。

小話、漢方薬編

推拿とは関係ありませんが、担当の教授と雑談している時に、「日本の漢方薬は良いねぇ。」という話題になったので記事にしておきます。
やはりと言うか、日本の高い品質のエキス剤(粉末)の漢方薬は中国でも人気がありました。とある情報筋によると、中国産のものよりも安全性が高く、良い生薬を使っているので効きが良いと専らの評判です。この話題は2015年にブログで取り上げたのですが、こういった生の話を偉い方から直接聞けるとは、日本の漢方薬屋としては何とも嬉しい限りでございます。

 

推拿講義、推拿実技

午後は上海中医薬大学に戻り、「推拿講義」と「推拿実技」を学びます。
個人的には午前と午後のカリキュラムを逆にして頂けたらと思っていたのですが、それはそれ、午後の部も大変有意義な時間となりました。

推拿には上海流や北京流、香港流等、様々な流派がある事を知りました。
今回学ぶのは上海流です。(当然ですね。 🙂 )

カリキュラム上は講義と実技が別れていますが、実際は同時進行で行われます。
手法の紹介→実演→実技指導の順で様々な技を披露して頂きました。授業の始めに生米が入った枕を渡され、これを人体の筋肉や皮膚に見立てて練習をしていきます。本校では、3年かけて生米が粉末になるまで練習し、その後、やっと人体で実習を行うようです。

たかが半日の練習で中国数千年の技を会得できるわけがないのですが、私も日本の「あん摩マッサージ指圧師」の端くれです。見よう見まねで教授の動きをコピーしようとするのですが、全く出来ませんでした。 😥
言い訳になってしまうかも知れませんが、日本の按摩ではタブーとされている動きが推拿の基本動作になっているので、日本式按摩の癖が染み込んでいる私には到底無理です。中途半端に学習してしまうと、かえって患者さんに不快な思いをさせてしまう気がします。上手に使い分けるには、師匠に師事し、最低でも1年は修行しないと話にならないでしょう。

座位での推拿。首、肩上部。
座位での推拿。
肩上部や上腕の治療法を学びます。

一足早い修了証

この「推拿」の授業を最後に、耳つぼペアと柔道整復師グループとはお別れです。
悲しくも彼女(彼)らは、私よりも一足先に帰国する事となります。(私の昼食はどうなるの?!)
本来であれば、私は3日後に短期留学修了証を頂く予定だったのですが、今回は特別に皆さんと一緒に修了証を頂くことが出来ました。上海中医薬大学の副学長から直々に証書を受け取り、記念撮影を終えた後、ホテルに帰還です。


一足早く修了証授与式に参加。
右の女性が上海中医薬大学の副学長です。
猛烈な湿気により妙に髪の毛がベッタリしている左の男が私です。

ザリガニ料理を求めて

ホテルに帰宅する際に帰国直前のOさんから、「ザリガニ料理の店があるよ!」との情報を入手したので、取り敢えず甲殻類に目がない私は、一人ザリガニに立ち向かうべく、その料理屋を目指すことになりました。
中国ではザリガニの事を、「小龙虾」と言います。カタカナにすると、「シャオロンシャー」です。何だかカッコいい響きです。
お店の名前は分かりませんが、ホテル近くの店舗に「小龙虾」の文字と、それっぽい看板を発見しました。早速、気合を入れて怪しいお店に入ります。

ザリガニ屋のメニュー
全部おなじに見えるメニュー。
見た目も値段も同じです。

以下、食堂でのやり取りを再現します。↓

 

先生

ニーハオ!
辛くないやつ下さい。
辛いの嫌いです。不要です。 😉

いぬ
お姉さん

これなら辛くないけど、
◎△$♪×¥○&%#?

先生

大丈夫、大丈夫!
(よく分からないけど。)

いぬ
お姉さん

わかったわ。
向こうの席で待っててね。 🙂

へい、お待ち!
(ドンッ!!)
(ザリガニ1キログラム) 👿

ザリガニ1kg

先生

なん・・・だと?!
◎△$♪×¥○&%#!!!!

少食な私は本当にビックリしましたよ!
写真では伝わりにくいとは思いますが、洗面器に真っ赤になった小型のザリガニがウジャウジャいる感じです。しかも、1キロです。ザリガニと同時に、何やら紙袋に入った謎のアイテムと、ビニールの手袋を手渡されました。紙袋を探っていると、先程のお姉さんが戻ってきて、ニコニコしながら紙袋からエプロンを出して私に装着してくれました。ありがとう!

こうなったらヤケ食いしか無いと思い、バキバキメキメキと手で殻を剥き口に運んだのですが、これが超が付くほど美味しいのです。全く辛くはなく、濃いめの味付けが見事に私のストライクゾーンを捉えました。油分がビニールの手袋を貫通して手がギトギトになるのですが、そんなものは全く気になりません。怒涛の勢いでザリガニを解体して口に運びます。

格闘すること20分、全て平らげました。
本来であれば、ザリガニ料理は家族や友達とワイワイやりながら食べるもので、一人で無我夢中に食べる料理では無いと思います。しかしながら、この味は素晴らしく、私の心と胃袋を大いに満たしてくれたのでした。

上海に来て色々食べていますが、このザリガニ料理が今回の短期留学で最も価値のある料理と言えるでしょう。間違いなくナンバーワンです。店員さんも愛想が良くて素晴らしいです。
恐るべし、小龙虾!

気になるお値段は、お茶込で89元(約1,600円)です。
普段の夕食が20~30元程度なので、他の料理と比べると高いとは思いますが、89元の価値は十分にあります。もし、中国に行きましたら、是非食べて頂きたいものです。

ザリガニ完食
完食!
残っているように見えますが、全て殻です。

 

4日目を振り返って

今回は何と言っても、熟練の治療家が施す本物の推拿に触れることが出来た事が一番の収穫です。
日本で中国人が営むナンチャッテ中国式整体は何度も受けたことがありますが、病院内で治療目的で行っている推拿とは全くものでした。
後はザリガニ料理ですね。
後にも先にも、これ以上の衝撃はございませんでした。

次回の5日目は、「内科疾患と婦人科疾患の中医薬治療(講義)」と、静安区中心病院での「鍼灸実習」です。特に鍼灸実習の方は現役の鍼灸師として非常に興味深いです。これも日本との違いに驚かされる事になるのですが、続きは次回の記事をご覧ください。

なお、5日目の午後からは完全に単独行動となります。
宿泊先のホテルから静安区中心病院までは地下鉄と徒歩で1時間かかるので、私にとっては大冒険となります。

購入物一覧
大学の物販にて、「鍼灸学」、「中薬学」、「推拿学」の書籍と、「中国鍼(ディスポ)」、「小児はり」を購入しました。


日本の按摩。
有名な吉田流按摩のDVDです。

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