イボの種類とお灸

治療

比較的ポピュラーな皮膚疾患であるイボ(疣贅)の対処方法を紹介致します。基本的にイボは良性の腫瘍で放置しても健康を害する事はないのですが、放置すると大きくなったり増えたりするので、男女問わず気になる症状でございます。

イボの種類について

大きく分けて、イボには「ヒト乳頭腫ウイルス」による感染症と、紫外線や加齢の影響で現れる「老人性イボ」の2種類に分けられます。

ヒト乳頭腫ウイルスのイボ

別名、「尋常性疣贅」と言われていて、手足に多く見られます。
小さな傷から感染するので、放置したり自己流で弄ってしまうと周りの組織にウイルスが広がってしまうので注意が必要です。感染力は然程強くはないので、傷ついたイボを長時間直接触らない限り、他人にはあまり感染しません。

老人性イボ

脂漏性角化症、老人性疣贅と言われていて、紫外線や加齢の影響で生じるイボです。
首や顔、紫外線が多く当たる部位に現れます。老人性イボと聞くと年配の方だけが該当しそうなイメージが湧きますが、20代から出現するので油断はできません。感染症でも病気でもないので放置しても構わないのですが、比較的目立つ部位に出来る事が多いので、巨大化する前に対処したほうが良いでしょう。また、極めて稀ですが、イボではなく皮膚がんの可能性も捨てきれませんので、皮膚科にかかることを推奨致します。

イボの対処方法

液体窒素による凍結療法や、お灸を使った物理的な除去、ヨクイニンの服用が一般的です。
ヒト乳頭腫ウイルスの場合は自己流で弄ると広がってしまう可能性があるので、極力専門家にお願いしましょう。それぞれ詳しく解説致します。

液体窒素凝固療法

最も一般的かつ、私個人がお勧めする最良の方法です。
-196度の液体窒素を綿棒に染み込ませ、患部(イボ)に押し当てます。綿棒を当てている間は少々ピリッと感じますが、施術は数十秒で終わるので驚くような痛みはありません。数日~2週間程度でイボがかさぶた状になり、自然に剥がれ落ちます。1回の施術で取れない場合は、同じ手順を何度か繰り返します。液体窒素凝固療法は安全面も優れており、健康保険が使えるので安価です。

お灸療法

驚かれるかも知れませんが、液体窒素がない時代はお灸でイボ取りを行っていました。
施術方法は至って単純で、イボの上に直接灸を施してイボを焼き切ります。私は患者さんに何度も施術を行った事がありますが、本音を申しますと、お灸によるイボ取りはあまりお勧め致しません。

その理由ですが、健康保険が使えないというコストの問題と、火傷のリスクです。無論、私は患者さんのイボ取りに失敗した事はないのですが、安価で安全な液体窒素が使える時代に、態々お灸をチョイスする必要はないでしょう。現在、当院ではお灸によるイボ取りは行っておりませんので、どうしてもお灸でイボを取りたい方は他院をご利用下さい。また、専門家に頼らず自身でイボを焼き切る行為もお勧め出来ません。

ヨクイニン

以前記事にした飲む美容液こと、「ヨクイニン」です。
古来からヨクイニンには、イボ、美肌に効果があると言われていて、品質に拘らなければ一般のドラッグストアで購入できるため、当院の様な漢方専門店や病院に行かずに気軽に試すことが出来ます。しかしながら、大きくなってしまったイボをヨクイニンのみで対処するのは困難なので、液体窒素凝固療法と併用して活用したほうが良いでしょう。ヨクイニンについては、専用のコーナーをご覧下さい。

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ヨクイニンの魅力
当店では相変わらず、シミ・そばかすに紫雲膏が人気なのですが、今回は飲む美容液こと、「ヨクイニン」をご紹介致します。本題に入る前に簡単に説明しますと、ヨクイニン(薏苡仁)はハトムギの種子で、肌を美しくするイボ取りの生薬として有名です。

イボの予防方法

なんと言っても、お肌の手入れが重要です。
もはや定番ですが、外出の際は日焼け止めクリームや日傘、帽子を活用しましょう。また、日常的なスキンケアも欠かせません。ヨクイニンや紫雲膏もイボの予防対策として効果大です。女性だけではなく、男性にも積極的に活用して頂きたいです。

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シミ・そばかすには紫雲膏
埼玉県鴻巣市の人形町治療院では、お灸の前後に紫雲膏(しうんこう)というゴマ油の臭がする紫色の軟膏を使っていますが、実はこの紫雲膏、火傷やあかぎれの他にも、シミ・そばかすの改善と言ったスキンケアにも有効で、美容効果も期待できるようです。

まとめ

以上が一般的なイボの対策方法でございます。
タイトルが「イボとお灸」なので、お灸の話題を期待していた方、残念でした!
私は鍼灸マッサージ師ですが、鍼灸が最も優れているとは甚だ思っておりません。あくまでも適材適所であり、常に最善の治療を患者さんに提案できるようにしています。

もし、イボでお悩みの方は、すぐに最寄りの皮膚科に行ったほうが良いでしょう。
勿論、当院にご相談頂ければ適切なアドバイスを出来るように努力致しますので、お気軽にお尋ね下さい。

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