今年の4月に、血圧の目標値がそれぞれ10ずつ引き下げられる可能性が出てきました。現在は、「上140/下90」なのですが、改定案では、それぞれ10引き下げて、「上130/下80」になる様です。
度々、人形町治療院のブログでは血圧について触れていますが、流石に「上130/下80」はやり過ぎです。血液を体の隅々まで運ぶには、それ相応の血圧が必要です。特に高齢者の場合、加齢に伴う動脈硬化や心肺機能の低下が必然的に現れるので、血圧の上昇はごく当然な生理現象です。よって、余程の異常がみられない限りは、高齢者の高血圧は病気ではないと言えるでしょう。
我々の体は素晴らしい自律システムにより最適化されているのですが、投薬で血圧を無理に下げてしまうと循環不良を起こし、認知症の出現を早めたり、痺れや痛みの原因となり得ます。以前記事にしましたが、特に問題がない場合は「年齢+90」を目安に過ごすと良いでしょう。
人形町治療院の併設薬店である、漢方薬店しんあい堂でも高血圧に関する相談を受けますが、当店の場合は余程のことがない限り降圧剤は処方致しません。ここで言う「余程のこと」とは、高血圧による「めまい」、「吐き気」、「卒倒」等で、日常生活に差し支えがある状態を指します。これらの症状が現れた場合は脳卒中等のリスクが高まりますので、早急な手当が必要となるのですが、実のところは然程多くはない印象が見受けられます。
今年4月の改定で、「上130/下80」以上を高血圧症と定義した場合、日本国民の約半分が高血圧症患者となります。先程も書いたように、大半の血圧の上昇は生理的な現象であり、病気ではありません。病的なものであっても生活習慣を見直したり、ご自身に合った漢方薬を服用することにより、ある程度はコントロール可能です。
病院でさも当然のように処方されるカタカナ名の降圧剤。
「一生飲み続けるのか?」
「一生飲むとお金はいくらかかるのか?」
「副作用は大丈夫か?」
「皆飲んでいるからきっと大丈夫だろう?!」
気軽に服用する前に、一度考え直してもらいたいものです。