突然襲ってくる寝違えや首肩の急な痛み。今回は、これらのつらい痛みに有効な漢方薬や湿布、鍼灸治療(マッサージ)を紹介致します。
寝違えとは?
そもそも寝違えとは、睡眠中に何らかの原因(姿勢不良等)によって首肩部の筋肉や血管が引き伸ばされ、血行不良によって発生する強い痛みを指しますが、病院で検査を行ってもこれといった問題が見つからないため、具体的な原因は未だに解明できていません。正しい姿勢で寝ていても、前日に激しいスポーツを行った際に寝違えと同様の症状が現れたりもします。
有効的な薬
基本的に、以前紹介したギックリ腰(急性腰痛)に使われる処方と似通っています。有効的な処方は複数存在しますが、今回は飲み薬と貼り薬(湿布)をそれぞれ1種類ずつ紹介致します。両者とも、当店で購入できます。
疎経活血湯(そけいかっけつとう)
17種類もの生薬を組み合わせた複雑かつ絶妙な飲み薬です。
『気』の巡りを改善する処方として有名で、急性から慢性的な痛みまで幅広く扱えます。
成分
地黄(じおう) 当帰(とうき) 桃仁(とうにん) 川芎(せんきゅう) 茯苓(ぶくりょう) 白朮(びゃくじゅつ) 牛膝(ごしつ) 竜胆(りゅうたん) 陳皮(ちんぴ) 羌活(きょうかつ) 威霊仙(いれいせん) 防已(ぼうい) 防風(ぼうふう) 白芷(びゃくし) 甘草(かんぞう) 芍薬(しゃくやく) 生姜(しょうきょう)
服用方法
食前あるいは食間に1日3回、お湯に溶かしてインスタントコーヒーの様に温服します。
他の処方と比べると若干苦味が強いので、白湯で流し込んでも良いです。
糾励根(きゅうれいこん)
こちらも当ブログで何度も取り上げられている貼り薬(湿布)です。
粉末を水で溶いて専用のシートに貼り付けて使用するので手間がかかりますが、その効果効能は素晴らしく、ありとあらゆる痛みから風邪、乳腺炎まで幅広く対応できます。
成分
黄柏末、山梔子末、蕃椒末、百草霜、乾姜末、半夏末、楊梅皮末、犬山椒末、精製樟脳、薄荷草末
使用方法
糾励根を水で溶き、専用のシートに伸ばしてから患部に貼り付けます。使用頻度は1日1~3回です。熱感刺激が強く感じる方は、適度に小麦粉を混ぜて濃度を調節すると良いでしょう。細かい使用方法は添付文章をご覧ください。もちろん、当店でお買い上げの方には使用法をレクチャー致します。
鍼灸治療(按摩マッサージ指圧)
寝違えはプロの手による鍼灸治療やマッサージも有効です。特にYNSA(山元式新頭針療法)という頭部のツボを使った鍼療法は即効性が強く、私個人も寝違えを起こしてしまった際は、自分でYNSAを施している程です。これらの物理療法と上記の処方を組み合わせると、より一層効率的に痛みを取ることが出来るでしょう。
マッサージを受ける際は、必ず「あん摩マッサージ指圧師」の国家資格免許を持っている施術者から施術を受けるようにしましょう。無免許者が行う「整体」、「カイロプラクティック」等は、悪化を招く可能性が極めて高いので注意が必要です。
無理に動かしたり自己流のストレッチは、症状を長期化あるいは悪化させる原因にも繋がるので、控えたほうが良いです。なお、今まで感じたことのない痛みや痺れを感じたら、すぐに専門病院を受診して下さい。
寝具を見直す
寝違えや急性の首肩痛が頻発する方は、枕や布団が原因になっている可能性があります。枕は動きのある物(小豆、そばがら)、布団は固めの物を推奨致します。因みに私は、『メディフロー』という水枕を10年間愛用しております。水の量を自由に調節できるので、個人にあった適度な高さや硬さを保つことが可能です。通販大手のアマゾンで買えるのでお勧めです。