ある患者さんの熱烈なリクエストにより、当店しんあい堂にて、貼り薬“下呂膏(げろこう)”の取り扱いを開始致しました。
下呂膏の歴史を簡単に説明しますと、江戸時代末期に名医と言われた奥田又右衛門(岐阜県下呂市)が考案した膏薬(貼り薬)で、その成分や配合方法は長い間、門外不出とされていました。しかし、多数の患者さんから世に出すことを希望され、昭和に入りやっと一般に解禁された伝説的な膏薬であります。現在は七世奥田又右衛門さんが、しっかりと技術を受け継いているそうです。
下呂膏の最大の特徴は膏薬の色が黒い事と、リウマチを含むほぼ全ての疼痛に対応できる事です。
かなりと言うか膏薬の色がとても黒いので、剥がすと皮膚に湿布の後がクッキリと残ります。勿論、お風呂に入れば落ちますが、完全に落ちるまでには2日以上かかる場合もございますので、目立つ部分に使用する際はくれぐれも慎重にお願い致します。
また、入浴の際にバスタブに付着する可能性も限りなく高いので注意が必要です。更に、膏薬が衣服に付着する可能性も高いため本品を使用する際は、色の濃い服装(下着)の着用を推奨致します。添付文章にも注意事項が細かく書かれていますので、必ず読んでから使用して下さい。この様に、注意事項がやたらと多い品ですが、合成薬の湿布では中々効きにくい痛みにも対応できる極めて貴重な処方となります。
なお、昭和後期に白の下呂膏という膏薬の色が薄く目立たない処方も発売されましたので、まずはこちらの使用を強く推奨致します。慣れてきましたら、ぜひとも元祖である黒の下呂膏をお使い下さい。正直申しまして、これは効きます。
大判8枚入り。(半分に切れますので実質16枚。)
左:黒の下呂膏
右:白の下呂膏(まずはこちらをお試し下さい。)
奥田又右衛門膏本舗
※「伝説の漢方湿布 糾励根(キュウレイコン)」の記事はこちら。
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