早いもので、新型コロナウイルスが流行り出してから2ヶ月以上が経過しようとしています。4月7日、奇しくも私の誕生日に首都圏では緊急事態宣言が発令され、世界中でコロナムードが盛り上がっています。
連日、悪質なデマやショッキングな映像と共に不安を過度に煽る報道がなされているので、心配されている方も多いと思います。しかし、どうか落ち着いて正しい知識を身に着けてください。落ち着いて正しく行動すれば、新型コロナウイルスは怖い未知の病原体ではなくなります。今回は特に患者さんからの質問が多い、「コロナウイルスへの対策、予防方法」について記事にしていますので、最後までご覧ください。
なお、これから紹介する方法を実施すれば感染を確実に防げる訳ではございませんので、この点はご了承願います。
基本編
専門家の誰もが認める優先度が高い対処方法を紹介します。我々日本人には元々強い衛生概念が植え付けられているので、簡単に実施できる方法ばかりです。
人口密度が高いところには行かない
ウイルスは人から人、あるいは物(手すり等)から人へ感染するため、感染源に近づかなければ良いのです。人口密度が高い場所に行けば、それだけ感染者と遭遇する確率が高くなります。トレーニングジムやライブハウス、狭い店内での飲み会は避けたほうが良いです。「君子危うきに近寄らず」です。国が推奨する「3密(密集、密室、密閉)」は絶対に避けましょう。
新型コロナウイルスは接触感染と飛沫感染で増殖します。接触感染とは文字通りキャリアとの接触、飛沫感染とはクシャミや咳が該当します。接触感染よりも飛沫感染の方がリスクが高いです。エアロゾル感染もするらしいのですが、エアロゾルは特殊な環境下でしか発生しないので、日常生活では気にしなくて良いでしょう。
なお、人口密度が低い公園、グラウンド等の風通しの良い屋外は安全性が高いと言えます。その理由は、新型コロナウイルスは空気中では数メートル漂っただけで死滅してしまい、空気感染を起こせない性質のためです。今月から学校が休校となり、お子さんが部屋に籠りがちとなりますが、こういうときこそ屋外に連れ出すべきでしょう。一緒に遊べば尚良です。釣りや家族でピクニックも良いですね。 :-P 帰宅したら手洗いを忘れずに行って下さい。
手洗い、スマホの洗浄
全ての専門家が最も重要視かつ推奨している予防方法です。
最新の研究により、人から人に感染するリスクよりも、「物から手」、「手から口」経由で感染する事が分かってきました。適切な手洗いを行えば、ほぼ100%のウイルスを死滅させることが出来ます。洋服を肘までまくって石鹸を使い、両手の指先から手首の上までじっくり20秒かけて洗います。どうしても石鹸がない場合は流水で洗い流すだけでも十分に効果が発揮されますが、洗面器やバケツに溜まった水で洗うのはNGです。
手洗いと並行してスマホを次亜塩素酸水や薄めた次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)で磨くと良いです。我々にとってスマホは必須アイテムとなっており、1日中触れている方が沢山います。一節によるとスマホはトイレよりも汚いと言われていますので、スマホを触った手で目をこすったり、食べ物を口に運ぶなど言語道断でございます。帰宅や帰社の度に1日に1回以上は磨くと良いでしょう。
ドアノブや手すり、靴裏の洗浄
ドアノブや頻繁に触れる手すりなどはウイルスの宝庫です。頻繁に触るところは1日に1回程、消毒をすると良いでしょう。エタノール等のアルコールは大した効果が期待できないので、上記で紹介した次亜塩素酸水、あるいは薄めた次亜塩素酸ナトリウム(ハイター)で消毒を行うと良いでしょう。当院でも手すりやベッドの消毒を徹底しています。
また、見落としがちなのが靴裏です。靴裏は最も不衛生な部分でウイルスや雑菌の塊と言えます。海外で新型コロナウイルスに感染した患者が増えているのは、靴を履いたまま住宅スペースに入る習慣があるためだと仰っている専門家もいらっしゃいます。靴を室内に持ち込む際は、靴裏の消毒を行うと良いでしょう。トイレやホテルで使用した靴は注意が必要です。
部屋の換気
上記で触れたように、新型コロナウイルスは空気感染しません。空気感染しないどころか空気に弱いと言っても良いでしょう。そのため室内の換気は非常に有効な手段だと言えます。ベトナムでSARSが流行った際に、すべての病室の窓を開けて換気した事により、多くの患者さんの命が助かった話は有名です。
マスクの着用
外国の方にとってマスク姿は異質に見えるようですが、日本人にとってマスクは馴染み深いアイテムです。残念ながら健康な方が装備してもウイルスの予防には大きな効果が期待できないと言われていますが、感染者がマスクを装備する事により、外部にウイルスをばら撒かない、拡散させない効果が期待できるとされています。現在は貴重品となっているので、買い占めは絶対に止めましょう。
なお、メーカーは推奨していませんが、どうしてもマスクが手に入らない方は使い捨てマスクを消毒して再利用するか、自作すると良いでしょう。実は私も次亜塩素酸水でマスクを消毒して再利用しています。
応用編
上記の方法とは少し違い、多少のコストがかかる予防方法です。信憑性は非常に高いのですが、実際に新型コロナウイルスを使ってでテストした訳ではないので、この点はご了承ください。
次亜塩素酸水による室内消毒
次亜塩素酸水はインフルエンザウイルスやノロウイルス、細菌まで幅広く対処できる薬品です。アルコールよりも強力かつ安全な消毒液で、病院や歯科医院、介護の現場でも広く使われています。
強力な消毒薬なので人体にも悪影響を及ぼすと思われるかも知れませんが、有機物に付着すると水に分解する性質を持っているため安全性が極めて高く、小さな子供やペットが居る環境でも安心して使用できます。
次亜塩素酸水の欠点ですが、紫外線に弱く長期保存には向かない点が挙げられます。市販されている大半の次亜塩素酸水は店内で普通に陳列されているため、殺菌効果がなくなっている可能性も否定できません。購入する際は濃度や陳列場所をよく見た上で購入すると良いです。ちなみに、当店で扱っている次亜塩素酸水は遮光ケースに入っており、使用期限も設けてあります。
葛根湯などの漢方薬の活用
ここから先は漢方薬店を経営している私ならではの解釈なのですが、当店(漢方薬店しんあい堂)では葛根湯を風邪やインフルエンザの予防薬として活用しています。
葛根湯は、葛根(カッコン)、大棗(タイソウ)、麻黄(マオウ)、甘草(カンゾウ)、桂皮(ケイヒ)、芍薬(シャクヤク)、生姜(ショウキョウ)の7種類の生薬から作られた漢方処方で、日本では風邪の治療薬として有名です。「漢方薬=葛根湯」と連想する方も多いと思われます。
生薬を一つずつ解説すると長くなるので割愛しますが、葛根湯は体を元気にする生薬が多く含まれていて、免疫力アップには欠かせない処方となっています。
新型コロナウイルスに感染した患者さんで重症化する可能性が高い方は、基礎疾患を持つ高齢者が多いとされ、免疫力が極端に落ちてる方ばかりです。このため葛根湯の様な免疫力をアップさせる処方はコロナウイルス以外の予防に対応できると言えるでしょう。最終的に頼りになるのは己の免疫力です。
当店の葛根湯は通常の市販品とは違い、含有量が多い本物の葛根湯ですので、ぜひお試し頂きたい逸品でございます。
まとめ「新型コロナウイルスは怖くない」
以上が簡単にできる新型コロナウイルスへの対処方法です。「怖くない」と書きましたが、ノーガードでOKという訳ではございませんので、この点はご了承下さい。冒頭でも述べたように、「3密」は絶対に避けるべきです。
新型コロナウイルスへの対策は、基本的にインフルエンザや風邪の予防方法とほぼ同じと言って良いでしょう。感染しても8割の方が気が付かない間に寛解してしまう程度の力しか持っていません。
ちなみに、インフルエンザの場合は日本国内だけで1日に約5万~6万人感染していて、1年で約1万人が亡くなっています。肺炎の場合は更に数が多く、年間約14万人が亡くなっています。マスコミは、「今日は○人も新型コロナウイルス感染者が出ました!」、「爆発的な感染者数!」「某国では○人が1日で死亡しました!」と大したことのない数字を持ち出して嬉々として報道していますが、これがマスコミとして正しい姿なのか疑問です。
デマや一部のマスコミが流している悪質な情報に騙されないように対処すれば、新型コロナウイルスは決して怖いものではありません。しかしながら、ここまで世界中にウイルスが拡散してしまうと完全に地球上から消し去ることは不可能でしょう。
今後は、「武漢熱」、「武漢風邪」、「武漢肺炎」と言った具合に命名されて、新しい風土病として定着する可能性が極めて高く、他のウイルス同じ様に我々と共生していく方向に向かうのではないかと思われます。
今回の新型コロナウイルスは運良く弱毒性のウイルスでしたが、近い将来にゲームのバイオハザードに出てきた超強力な未知のウイルスが拡散する可能性はゼロではありません。こうなった際に、人類がどの様に対応していくのかが、今後の課題と言えるでしょう。