セミが鳴き始めると、例の漢方薬の需要が高まります。そう、皆さんご存知の「生脈宝(しょうみゃくほう)」でございます。
当店では、夏バテ、熱中症対策として、ウチダ和漢薬(松浦薬業)の生脈宝を取り扱っていますが、一昨年、小太郎漢方から「生脈散(しょうみゃくさん)」という漢方処方が発売されました。果たしてこの2つは、何処が違うのでしょうか?
結論から申し上げますと、元祖は「生脈散」の方で、中国の医学書「医学啓源」に収録されています。生脈散は、人参、麦門冬、五味子の3種類の生薬から構成されたシンプルかつ即効性の高い滋養強壮剤です。
では、中国の医学書に掲載されていない「生脈宝」とは何ぞやと言いますと、人参、麦門冬、五味子の3種類に「黄耆」を加えた応用処方です。黄耆とは、体を元気にする補薬に分類され、高級補薬である人参に勝るとも劣らない超高性能な生薬です。人参と黄耆がブレンドされた代表的な漢方薬としては、薬の王様と言われている、「補中益気湯」が上げられます。
当店では、普段は補中益気湯、夏場は生脈宝と言った具体に、2種類の漢方薬を使い分けている方が結構いらっしゃいます。また、両者とも夏季シーズンの必需品ですが、実は肺機能を整える補肺、清肺作用等がある処方としても優秀なので、冬季の乾燥したシーズンにも優れた効果を発揮します。
私個人としては、黄耆の入った「生脈宝」の方が好きなのですが、古典に基づいて作られたシンプルな「生脈散」も非常に良い処方です。両者とも優しい処方なので、小児からご老人まで幅広く活用できます。
生脈宝(生脈散)を2~3包使った漢方スポーツドリンクも大変効果的ですので、夏本番に備えて試してみては如何でしょうか? とっても美味しいですよ。 😛
当店、漢方薬店しんあい堂で販売していますので、必要な方はお声がけ下さい。
はたらく細胞とポカリスエットの面白いCMを発見しました。