経口補水液にご注意!

治療

少し前から『経口補水液』が流行っています。埼玉出身の某有名人がテレビで盛んに宣伝していたり、ドラッグストアに行くと一番目立つ所に配置してある、少しお値段お高めなアレでございます。

当ブログをご覧になっている方はご存知かと思われますが、私は出張治療も行っております。その大半が外出困難を伴う高齢者なのですが、半数以上のお宅にこの経口補水液が常備してあります。訳を聞くと、「熱中症の予防に毎日1本飲んでいる。(あるいは無理に飲ませている。)」という答えが帰ってきます。

実はこれは、完全に間違った使い方です。経口補水液は熱中症の予防には全く役に立ちませんし、下手をすると健康を害し、病院に搬送される危険すらあります。

本来、経口補水液とは様々な理由で点滴行為が難しい地域(発展途上国等)で使われるもので、補水治療を目的として開発されました。先進国では点滴が困難な乳幼児に対して使用されます。つまり、予防ではなく治療目的で使用される事が前提となっています。決して、エアコンが効いた部屋で大人しくしている高齢者が熱中症(脱水症状)の予防手段として気軽に服用するものではございません。

上記のように経口補水液は治療目的で開発され経緯から、500mlで約1.5gという大量の塩化ナトリウムとブドウ糖(500mlで9g)を含んでいます。この大量の塩化ナトリウムとブドウ糖を寝たきりに近い高齢者が摂取し続けるとどうなるでしょうか? 結果は一般の方でも想像できると思います。

欠点ばかり記事にしてしまいましたが、経口補水液は治療手段として大変優れたアイテムです。細かい文字で書かれた添付文書に必ず目を通し、上手に活用しましょう。

ちなみに、下記が大塚製薬が販売している経口補水液「オーエスワン」の概要ですが、どこにも「熱中症の予防」とは書かれていません。使用する際はくれぐれもご注意下さい。

〈オーエスワン/オーエスワンゼリーが許可を受けた表示内容〉
オーエスワンは、電解質と糖質の配合バランスを考慮した経口補水液です。
軽度から中等度の脱水状態の方の水・電解質を補給・維持するのに適した病者用食品です。
感染性腸炎、感冒による下痢・嘔吐・発熱を伴う脱水状態、
高齢者の経口摂取不足による脱水状態、過度の発汗による脱水状態等に適しています。

〈さらにオーエスワンゼリーが許可を受けた表示内容〉
オーエスワンゼリーは、そしゃく・えん下困難な場合にも用いることができますが、医師とご相談の上、ご使用ください。

経口補水液オーエスワン(OS-1)|大塚製薬工場

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