既に聞き及んでいる方も多いと思いますが、健康保険組合連合会は8月22日に、医療機関で処方される市販薬と同じ成分の花粉症治療薬について、医療保険の適用から除外して全額自己負担にすべきだとの提言を取りまとめました。花粉症治療薬以外にも、漢方薬と湿布薬が議題に上がっています。
世間では寝耳に水だった様ですが、実はこの話題が出始めたのが30年くらい前で、毎度の様に議題に上がっています。 😎
何故今頃になって急に騒いでいるのかと言うと、ついに保険者が本気になったからでしょう。ごく一部を除き、保険者の運用状況は火の車でございます。現時点では黒字を出している協会けんぽでさえ、2024年度には赤字化するという情報も出ています。
さて、本当にこれらの処方全ての保険外しが実行されるのか気になる所ですが、漢方薬屋を経営していて複数の薬メーカーと付き合いのある私の意見は、「No」です。精々、1回の診察で処方する分量を減らすのが関の山です。うまく行ったとしても徐々にゆっくりと保険外しが行われると思われます。特に漢方薬に関しては某メーカーの政治力がとても強く、保険者の思い通りには行かないでしょう。もし、実現できたら保険者に拍手喝采でございます。
個人的には、OTCの健康保険外しは大歓迎なのですが、完全な実現にはまだまだ時間がかかりそうです。そもそも、国民皆保険制度に限界が来ているので、早急に解決策を見つけ出して手を打って欲しいものです。
大事に使おう健康保険!
※2019-12-01追記
産経新聞に新しい情報が出ています。もしかすると、私が思っている以上に保険外しが早く行われるかも知れません。12月中に何らかの動きがあるようなので注視したいと思います。
市販類似薬は保険対象外 病院処方の風邪薬など 医療費抑制へ政府調整
2019年12月1日 5時2分 産経新聞
政府は30日、全世代型社会保障改革の一環として、市販の医薬品と同じような効果があり代替が可能な薬(市販品類似薬)について、公的医療保険の対象から除外する方向で調整に入った。市販品は全額患者負担だが、病院で処方箋をもらって薬を購入する場合、自己負担は1~3割で、残りは税金や保険料から賄われる。政府は自己負担を引き上げることで医療費抑制につなげたい考えだ。市販類似薬は公的医療保険の対象外へ 風邪薬や花粉症治療薬など - ライブドアニュース政府は11月末、市販品類似薬を公的医療保険対象から外す方向で調整に入った。対象として想定しているのは風邪薬や花粉症治療薬、皮膚保湿剤などの軽症薬。購入時の自己負担額を引き上げることで、医療費抑制につなげたい考えだ