ついにこの時が来たというか、悪く言えば柔道整復師の後追いなのですが、翌年の2021年(令和3年)から新規で「療養費の受領委任を取り扱う施術所管理者」は実務経験と研修が必須となります。
2020年3月4日付けで、厚生労働省から保発0304第1~3号が公開されました。内容が濃いPDFファイルなので詳細は割愛致しますが、要は今後、健康保険を使った鍼灸マッサージ業を行う場合は、1年間以上の実務経験と16時間以上の研修が必須となります。当院の様に既に認可されている治療院は免除されるのですが、いつ改悪されるのかわからない状態です。
※この記事は業界関係者向けの記事です。
今回の要点
- 2021年迄に受領委任の認可を受けている管理者には影響がない。
- 管理者になるために必要な実務経験は1年以上。
- 実務経験にカウントされるのは店舗型の鍼灸院(マッサージ院)のみ。
- 接骨院、病院等は実務経験としてカウントされない。
- 出張専門で勤務していた場合も実務経験としてカウントされない。
- 研修は2日間以上行い、合計16時間以上の講義を受講する。
※この情報は2020年3月5日時点のものです。現在は変わっている可能性がございますので、ご了承ください。
研修は誰でも簡単に受けられそうですが、実務経験に関しては中々厳しいですね。特に新卒の方々にとってはハードルが高いと思われます。何故かというと、実務経験としてカウントされるのは純粋な鍼灸院(マッサージ院)のみで、これらの施設の求人は極めて少ないからです。この10数年間の新卒鍼灸マッサージ師の主な就職先は整形外科や介護施設、訪問マッサージ業者、接骨院なのですが、これらの施設で働いても実務経験としてカウントされません。
一応、鍼灸接骨院というグレーな施設で働けば表面上は鍼灸師としての実務経験は積むことが出来ると思われますが、保険請求をする上で最も重要であろうマッサージ師としての実務経験を積む職場が極端に少ないと言えます。今後、養成学校が卒業生のために本格的な鍼灸院(マッサージ院)を立ち上げる等、何らかの支援が必要になります。
療養費の受領委任を取り扱う施術管理者の要件について(保発0304第1~3号)
本日(令和2年3月4日)付けで厚労省より「療養費の受領委任を取り扱う施術管理者の要件について」についての通知が発出されました。今後、施術管理者は実務経験と研修の受講が必要となります。
詳細につきましては下記をご確認ください。はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る 療養費の受領委任を取り扱う施術管理者の要件について(令和2年3月4日保発0304第1号)
はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る 療養費の受領委任を取り扱う施術管理者の要件の特例について(令和2年3月4日保発0304第2号)
「はり師、きゅう師及びあん摩マッサージ指圧師の施術に係る 療養費に関する受領委任の取扱いについて」の一部改正について (令和2年3月4日保発0304第3号)
はり、きゅう及びあん摩・マッサージの施術に係る療養費の取扱いに 関する疑義解釈資料の訂正について(令和2年3月4日事務連絡)
厚労省のパンフレット
人形町治療院の今後
当院は2008年から地域医療に貢献するために健康保険を使った出張鍼灸マッサージを提供して参りましたが、今回の改定を機会に保険を使った出張業務から完全撤退する予定です。今後は出張を希望される患者さん全てを自費に移行致します。
その理由ですが、元々健康保険を扱うには手続きが複雑な上に、研修やその他諸々の雑務が増えた場合、私一人ではマンパワー不足に陥ってしまいます。2017年頃から健康保険を使った訪問施術の新患を受け入れていないのはこのためです。
苦渋の決断となりますが、施術の質を保つために何卒ご理解ください。健康保険を使わない出張業務に関しては今後も通常通り行ってまいりますので、よろしくお願い致します。
施術管理者研修の申し込み開始
2020年9月1日から洋療法研修試験財団のホームページで施術管理者研修の申込みを開始したようです。2021年以降に独立開業して健康保険(療養費)を扱う予定がある方は、400人の定員に達する前に早めに申し込みましょう!
研修はオンライン対応で、会場・オンライン共に研修費用は23,000円です。結構高いですね 😈
本研修の対象者は、「あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律」(昭和22年法律第217号)第3条の3第2項に規定する「あん摩マツサージ指圧師免許証、はり師免許証又はきゆう師免許証」(同法第3条の 24に規定する「あん摩マツサージ指圧師免許証明書、はり師免許証明書又はきゆう師免許証明書」又は同法第3条の23に規定する指定登録機関があん摩マツサージ指圧師、はり師及びきゆう師名簿に登録したことを証明する登録済証明書を含む。以下「免許証等」という。)の交付を受けた者で、令和3年1月1日以降新規に申出を行う者とする。
(*令和2年12月31日までに申出を行った者は本研修の受講対象者ではない。)