鍼灸治療受けて流産する?

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当院では逆子の治療で来院される患者さんが極めて多く、鍼灸治療と流産の関係について結構な頻度で質問を受けます。果たして、鍼灸と流産の関連性はあるのでしょうか?
鍼灸マッサージ院と漢方薬屋を経営する東洋医学の専門家が、分かりやすくお答えします。

お腹の中の赤ちゃんに鍼灸の直接刺激は届かない

現在広く行われている鍼灸治療では、母体で厳重に守られている赤ちゃんの生命を左右するような刺激量は出せません。
つまり、良くも悪くも鍼灸治療では、お腹の中の赤ちゃんに対しては一切の効果を発揮することは出来ません。そもそも、鍼灸治療で使われている鍼は極めて細く短いので血管壁すら破る事が出来ません。この細くて短い鍼を、赤ちゃんがいるお腹の奥まで入れることは物理的に不可能です。

また、お灸は血液に作用すると言われていますが、体内には血液胎盤関門という素晴らしいシステムが備わっていますので、お灸程度の弱い薬効成分では、赤ちゃんに影響を及ぼす心配はございません。よって、鍼灸で流産させる事は不可能と言えるでしょう。

禁忌穴(禁鍼穴、禁灸穴)の実際

昔から妊娠中に刺激してはいけないツボの事を禁忌穴と言い、ここを刺激すると流産したり何らかの悪影響を及ぼすと言い伝えられています。この禁忌穴は実在するのでしょうか?

答えは、YESでありNOとも言えます。
恐らく数百年~数千年前は確実にあったと思われます。何故なら、当時使われている鍼は極めて太いもので、竹串や石、あるいは畳針の様なものだったと伝えられています。それを敏感な禁忌穴に使った場合、想像できないような強力な刺激により、流産を起こすリスクが高まるのは至極当然だと言えます。

また、当時の衛生状態は現代と比べると極めて悪く、体調管理が難しい時期に上記のような原始的な道具で鍼灸治療を行うことにより、感染症を引き起こすリスクが高まり様々なトラブルの引き金となったはずです。昭和の時代に入り、名だたる巨匠が禁忌穴の実験を行いましたが、どうやっても事故は一切起こらなかったという逸話が残っています。

何故、鍼灸と流産の関係が話題になる時があるのか?

これはあくまでも私の意見なのですが、出産と不妊治療の高齢化が原因だと思われます。
ご存知だとは思いますが、流産の確率は年齢とともに上昇します。具体的な流産のリスク値は、20代で10%強、30〜34歳になると約15%、35歳を超えると20%以上、40歳になると50%にもなります。そして、鍼灸での不妊治療を希望される患者さんの年齢層は比較的高いので、鍼灸の有無とは関係なく、元々流産のリスクが高まっている状態にあります。これにより、不運にも流産を経験された方は、「鍼灸を受けたら流産した。」と誤認してしまうのです。この様な誤解やトラブルを避けるためには、鍼灸師側が事前に年齢による流産のリスクをしっかりと説明する必要があります。

まとめ

以上を踏まえると、現在行われている通常の鍼灸治療では流産させる事は100%不可能ですので、諸症状でお悩みの方は、妊娠中でも安心して施術を受けて下さい。勿論、鍼灸院によっては経営上、妊婦さんを診ていないところも多くございますので、事前に問い合わせてから来院しましょう。なお、異常妊娠や切迫早産が見られる方は注意が必要ですので、この点だけは、くれぐれもご注意願います。

余談になっていまうかも知れませんが、当院の名物(?)は逆子のお灸でございます。
「鍼灸治療は赤ちゃんに影響を及ぼさない。」と書いているので、一見すると矛盾しているように思われるかも知れませんが、当院の逆子のお灸は、直接赤ちゃんに作用するものではなく、母体の体質改善を図って施すものでございます。赤ちゃんがお灸で「アチチ!」と感じている訳ではないので、ご安心下さい。

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