症状にあった風邪薬の選び方(漢方薬編)

漢方薬

10月の半ばに入ると、喉の痛み、頭痛、くしゃみ、咳等、風邪症状を訴えて漢方薬店しんあい堂に来店する患者さんが激増します。

皆さん一様に最もメジャーな漢方薬である「葛根湯」を希望されるのですが、患者さんの症状を聞いてみると、その大半が葛根湯証ではありません。葛根湯は比較的強い処方であり、年配の方や体力が衰えている状態で服用すると症状の悪化を招く場合がございます。特に、当店で扱っている葛根湯は通常市販されているタイプよりも生薬成分が強く濃いので、服用には注意が必要です。以前も症状別に風邪薬を紹介したのですが、今回はお勧め順で、もう少し突っ込んだ内容で紹介したいと思います。

風邪薬のファーストチョイス、「香蘇散」

香蘇散(こうそさん)は、陳皮(みかんの皮)、紫蘇の葉を含んだソフトな風邪薬です。
風邪薬の多く使われている「麻黄」という比較的強い生薬を含まないので、小児から高齢者まで幅広く服用可能です。また、妊婦さんにもお勧めできます。適応症状は広く、当店ではうつ病の治療にも使われたりもします。

なお、当店の香蘇散は近年では珍しくなった添加物を一切含まない100%生薬で構成された本物の香蘇散ですので、大変良く効きます。通常の市販品しか服用したことがない方は、ぜひお試し下さい。

喉の痛みにはこれ、「銀翹散」

銀翹散(ぎんぎょうさん)は日本では聞き慣れない名前ですが、中国では「風邪薬と言えば銀翹散」と言っていいほど定着しています。
香蘇散と同様に、「麻黄」を含んでいないので、こちらも幅広い年齢層の方が服用可能となっています。風邪のひき始めである喉のピリピリを感じたら、即服用して頂きたい処方です。

当店では小太郎漢方製薬の金羚感冒と金羚感冒を取り扱っています。前者の金羚感冒は錠剤なので服用が容易です。本格的な漢方の風味を楽しみたい方は、金羚感冒がお勧めです。私は勿論、「散」派です。

こじらせた風邪、長引く風邪には、「柴胡桂枝湯」

柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)は「小柴胡湯」と「桂枝湯」を合わせた処方です。
名前の通り、柴胡という優秀な生薬が使われています。適応範囲はかなり広く、長引く風邪から十二指腸潰瘍、慢性膵炎、胆石等、内臓疾患まで網羅する素晴らしい処方です。当店では、葛根湯と合わせてインフルエンザの予防としても活用しています。

葛根湯の使い方

最後に葛根湯の使い方を紹介します。
日本では最もメジャーな漢方薬であり、風邪薬として知られていますが、実のところ、葛根湯は風邪薬ではありません。本来は、「血行を促進し、筋肉の痛みを和らげる処方」です。

何故、葛根湯を風邪薬と誤認しているのかと言いますと、軽い風邪症状は体を温めて汗をかくと収まる傾向があります。要は血行を促進させればよいのです。この血行促進効果が昔の日本人の体質に合ってたらしく、風邪薬として広く定着したのではないかと思われます。

当店では、この「血行促進効果」に着目し、葛根湯を風邪の治療薬としてではなく、「予防薬」としても販売しているのですが、これが中々好評でございます。特に当店の葛根湯は品質がよく、1日1~2包で効果が期待できるため、コストパフォーマンスが非常に宜しいと言えます。私のブログを読んでいる方には、予防薬としての葛根湯の使い方を世間一般に広めて頂きたいです。

まとめ

以上が症状にあった風邪薬の選び方です。闇雲に葛根湯を選ぶのではなく、それぞれの症状にあった処方をお選び下さい。ドラッグストアで上記の処方を購入しても構わないのですが、一度、当店の様な本格的な漢方薬屋に来店頂き、店員と相談した上でお買い求めになっては如何でしょうか?
きっと、最良の漢方薬が見付かるはずです。

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